このサイトは、クリニックや調剤薬局の建築や内装の設計施工を行っている「株式会社コンパス」の代表である“かずな”とその仲間が運営するサイトです。
皆さんが、クリニックや薬局に訪れた時にふと感じた疑問やクレーム、気になったこと等を集めて、整理することで、今後のクリニック・薬局づくりをより良い方向に進めていけないかと考えています。
建築のようなハードの部分のご意見だけでなく、職員の皆さんなどの対応も含めたソフトの部分のご意見でも結構ですので、是非、投稿いただければと思います。
こんなお話をしたら、ナースの方々や職員の方々から大きなクレームを頂くと思うが、僕がクリニックを設計する際には、独立したスタッフルーム(休憩室)を、あまり取らないような提案をしている。
診療所の設計の本などをみると、大抵、「職員の福利厚生のためにも、スタッフの休憩室は独立して、心地よくつくった方が良い」…と言うような書き方がされている。
本に書かれている通り、通常、スタッフの方に好まれる休憩室は、左図のように院長室と(スタッフ用の)休憩室の入口が別で、休憩室を独立させる場合が多い。実際、日々、院長先生に細かい注文を付けられるスタッフが、院長の目から逃れられる場が欲しいと言うのも解らないでもない。
ただ、実際に僕が見てきた中では、そうした部屋を設けることで、院長先生とスタッフのコミュニケーションが悪くなったり、関係が険悪になっているのをいくつか見た。ドラマでOLが女子便所で化粧をしながら上司や同僚のの悪口を言っている…と言った場面が実際にあるようで、院長の目が届かない場で、スタッフが院長や患者さんの悪口を言ったり…と言ったことが結構あるのである。
院長にとっても、自分が管理できない部屋(目が届かない部屋)をつくることで、別に悪口を言ったりしているわけでもないのに、何かの拍子で、そんな疑念を抱き、不信を募らせてしまうようなことがあるようだ。
そんな事例をいくつか見てきたことから、私達はスタッフルームを院長の目が届くような空間として提案することが多い。(左図参照)
このプランでは、休憩室(バックヤード)は、院長も入れるようなミーティングスペースとしてつくっており、完全に個別とするべき更衣室をその一角に設けている。
院長室はその奥につくっているのであるが、院長が院長室に入る時にはスタッフと顔を合わせることとなる。
このような何気なく、院長とスタッフが顔を合わせるきっかけづくりや、目が届かない空間を少なくすることで、院長やスタッフのコミュニケーションが図りやすくなるのである。
このようなプランの考え方は、職員の方々にとっては不満を持たれることもあるかも知れない。
もし、ご意見などをお持ちの方がいらっしゃれば、twitterや掲示板、メールなどでご意見をいただければと思います。